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野口冬人の現代湯治の宿
大分・長湯温泉 旅館 中村屋

久住(くじゅう)山の東山麓を走る芹(せり)川の清流に面して湧く長湯温泉。県道30号線のバイパスができてからは、狭い温泉街を車が走り抜けることも少なくなって、昔の静けさを取り戻している。

62 温泉街中ほどの芹川のほとりに、名物の「ガニ湯露天風呂」がある。カニを思わせる形状の岩風呂で、24時間自由に入浴できる。橋の下に棚をしつらえただけの脱衣場があるのみで、周りを囲むものは何もない。向かいの旅館からも道路からも丸見えである。それだけに、実におおらかで自然のままの入浴が楽しめる。
地元ではカニのことをガニと濁って呼ぶところから、この露天風呂は「ガニ湯」と古くから呼ばれている。最近は濁らずに「カニ湯」と書く若いライターが多いようで混乱している。

炭酸泉の析出物が
堆積する露天風呂

共同浴場「御前湯」の斜め前に立つのが旅館中村屋だ。一期一会を大事にする小さな宿である。玄関を開けると「お帰りなさい」の声が聞こえてくる。そんな家族的な湯宿である。

61_2建物は木造モルタル2階建て。客室は6畳と10畳が各2部屋と8畳が1部屋ある。8~10人での利用も可能だ。

風呂が素晴らしい。内湯もあるが、大自然に包まれた露天風呂がなんといっても楽しい。薄褐色の源泉がかけ流しになっている。湯舟からあふれた温泉の成分が堆積して、洗い場に縞模様ができている。それほど温泉の成分が濃い。通称、炭酸泉と呼んでいるが、正式名称は「カルシウム・マグネシウム‐炭酸水素塩泉」。45度、神経痛やリウマチ、冷え性などによく、飲用すると慢性消化器病、便秘、痛風、糖尿病などに効果があるという。
食事は地元の食材で作る女将の手作り料理が並ぶ。

旅館中村屋

  • 〒878-0402 大分県竹田市直入町長湯温泉
  • ℡ 0974・75・2065 / FAX 0974・75・2980
  • 大分駅から竹田コミュニティバス長湯温泉行きバス1時 間40分、長湯車庫下車すぐ(1日2便)。豊肥線豊後竹田駅 から長湯温泉行き、久住経由バス約1時間、長湯車庫下車す ぐ車=大分道大分光吉ICから国道210、442号線県道412、209号 線経由約34㌔
  • 1泊2食8550円~、1泊朝食付き5500円、入浴のみ200 円(12時~21時)