icon小泉武夫の旅して食べて健康に

熱燗<東京・中野区>

醸造学を修めた主人がほどよい温度で出す

日本酒は昔から燗をつけて飲む習慣がある。だが、今日の上等な日本酒、例えば大吟醸酒や吟醸、純米吟醸酒などになると、燗をつけずに、逆に冷やして飲むほうが一般的である。

東京の東中野、JR中央線東中野駅東口から歩いて3分ほどのところに「和酒バー しもみや」という店がある。

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この店は感心なことに、客に出す酒の性質によって燗をつけたり冷やしたりする。また、客の注文した料理に合わせても、同様に出してくれる。

とりわけ燗をつけるときには、主人の下宮龍二さんが鍋の湯に温度計を差し、ちょうどよい温度で客に出すのである。さすがにこの主人、大学で醸造学を修めただけのことはあって、その真剣なまなざしはプロの域にある燗つけ人だ。

そして、その燗酒に合わせて出してくれる料理が、これまた素晴らしい。よくこの店に行く吾が輩は、数多い独創料理の中でいつも注文するものが2、3品ある。 

例えば、ホタテのブルーチーズ田楽(刺し身用活ホタテとブルーチーズを串に差して焼き上げたもの)や、しもみや流和牛のたたきなどだ。その料理がいずれも酒を邪魔せず、料理も酒に邪魔されず、であるから美味しい。

そんなに素晴らしい酒と料理は、急いでガブガブと飲んだりパクパクと食べたりせず、ゆっくりと味わうべきである。そうすると、体も心も満足し、悪酔いなどせずに酔いの境地を楽しむことができるのである。酒をじっくりと楽しみたい人は、こういう店で静かに陶酔するのが達人への道だ。

寒くなってきたので燗酒がいい。そして、冷酒もまた乙ですなあ。

取り寄せ情報 和酒バー しもみや

  • 取り寄せ不可 熱燗1合1000円前後
  • 03・3363・7878(TEL)